素のPHPをテンプレートエンジンとして使う際、レイアウト構造を実現するライブラリです。 1つのクラスだけの非常に小さなライブラリですが、"継承"機能をほぼ網羅しています。
自動エスケープなどの機能はありませんが、最低限のエスケープ機能はhelperとして実装してあります。
インストールにはcomposerが使えます。
$ composer require "spindle/view:*"
バージョン1.0.2より、GitHubのzip-archiveには最小限のソースコードのみ含まれるようにしています。 testやexampleが必要な場合はこのリポジトリを参照するか、--prefer-sourceオプションを使ってください。
$ composer require "spindle/view:*" --prefer-source
クラス一つだけなので、require_onceで読み込むこともできますし、composerでオートロードしても構いません。
template.phtml
は素のPHPで書かれたテンプレートファイルとします。
$titleと$mainを埋めるとHTMLの文字列が完成します。
<html>
<head>
<title><?= $title ?></title>
</head>
<body>
<h1><?= $title ?></h1>
<div class="main">
<?= $main ?>
</div>
</body>
</html>
これをHTML化するには、以下のようなスクリプトを書きます。
<?php
require 'vendor/autoload.php';
$view = new Spindle\View('template.phtml');
$view->title = 'Spindle Example';
$view->main = 'Hello! Spindle/View!';
echo $view->render();
render()メソッドはテンプレートファイルを文字列化して返します。 render()メソッドだけでは画面に出力しないので、必要に応じてechoで出力してください。
テンプレートファイルに値を渡す際は、いくつかやり方があります。
//一つ一つ渡す
$view->title = 'sample';
$view->data = array(1,2,3);
//連想配列からまとめて渡す
$view->assign(array(
'title' => 'sample',
'data' => array(1,2,3),
));
// compactを使うとこんな書き方でもOK
$title = 'sample';
$data = array(1,2,3);
$view->assign(compact('title', 'data'));
一方、受け取る側のテンプレートファイルでは、変数は展開されています。
$title
や$data
で参照できます。
$this->title
や$this->data
でも同じものが取れます。
thisを付ける書き方は冗長ですが、変数の書き換えを行った際に、挙動に違いが出ます。
詳しくはレイアウトの項で説明します。
<!-- 同じ意味 -->
<title><?= $title ?></title>
<title><?= $this->title ?></title>
<ul>
<?php foreach ($data as $i): ?>
<li><?= $i ?></li>
<?php endforeach ?>
</ul>
渡せる変数の型には制限はありません。オブジェクトをそのまま渡すこともできます。
テンプレートファイルはPHPの通常の関数と違い、どんな引数を取るのか明示していません。 あまり多くの変数を渡すより、オブジェクトにまとめて一つか二つ渡す方が メンテナンスしやすくなると思います。
ビュースクリプトは関数内で評価されるため、変数のスコープはローカルです。 テンプレートファイルの中で適当に変数を作ったり書き換えたりしても、その場限りであり、グローバル空間を汚染しません。
template.phtmlをどこから探してくるかですが、特に何も指定しなければ include_pathを順番に探します。PHPの設定を変えていないなら、 viewのスクリプトと同じパスが最優先で探索されます。
特定のパスから指定したい場合は第2引数で探索基準パスを指定してください。 絶対パスでも相対パスでもOKです。
$view = new Spindle\View('template.phtml', '/path/to/template');
テンプレートは入れ子状にすることができます。
template.phtmlが以下のように書いてあったとして、
<?php $this->setLayout('layout.phtml') ?>
template
そしてlayout.phtmlが以下のように書いてあったとすると、
<div>
<?= $this->content() ?>
</div>
template.phtmlの結果は以下のようになります。
<div>
template
</div>
template.phtmlが親となるべきレイアウトテンプレートを指定していることに注意してください。
$this->content()
は、子テンプレートが存在するときはその描画結果が返り、単体で呼び出される場合は空文字が返ります。
テンプレートは内側から描画されていきます。 そのため、ビュー変数に何か加工を加えると、外側のレイアウトテンプレートに影響を与えます。 詳しくは example/03 を見てください。
特に、配列型のビュー変数を操作すると、思ったような挙動にならないことがあります。
$this->append($name, array( ... ))
や$this->prepend($name, array( ... ))
を使うと、配列型のビュー変数を、より意図通りの挙動で扱えるようになります。
レイアウトは無限に入れ子にできます。(実際はコンピュータのメモリの許す限り、ですが。) 親のレイアウトテンプレートが、更にsetLayoutしていれば、どんどん入れ子にできます。
詳しくは example/04 を見てください。
PHPのinclude文の代わりに、$this->partial()
というメソッドが使えます。同じ基準パスからテンプレートを探索できるし、パーシャルテンプレートもsetLayout
によって入れ子にできます。
詳しくは example/05およびexample/06を見てください。
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